前橋クリスマスライブレポート | New 天の邪鬼日記

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0612カヌー西表島 photo by YOSSY

 12月23日(土)那覇ー群馬県前橋市

 アジアの混沌そのものである那覇の街が遠ざかる。
 青い青い海が島をおおっていく。あの島のひとつひとつに宝石のような思い出がある。飛行機は記憶をリセットするかのように白い雲にのみこまれた。
 午前11時の飛行機にのり、13時10分羽田に到着した。2時50分群馬行きのバスにのり、前橋には夕方6時前に到着した。
 サンデールームのみっちゃんとトモキさん夫婦が車で迎えにきてくれる。ここ群馬にもなつかしい友たちが待っていてくれる。
 まっすぐ漢方治療院「栄光診療所」の別館へむかう。音楽好きの小野先生夫婦が建てたミニコンサートホールである。今日の昼間オペラコンサートがあり、その打ち上げで「歌いませんか」ということで招いてくれたのだ。前橋のパン屋さん「ワンネス」のピザや奥さん手作りの「リンゴのワイン煮」など美味しいものをたくさんいただいた。
 小野先生夫婦のあたたかい人柄に惹かれ集まってくる人たちも、またあたたかい人たちだ。沖縄から真冬の関東へもどり、こごえていた心もゆったりとほどけてくる。ホールへ移って3曲ほど歌った。

 1 今日は死ぬのにもってこいの日だ
 2 Hello my mom
 3 青空のむこう

 クラシックの超絶ピアノのあとに、オレのつたないピアノ弾き語りをやってだいじょうぶかなとビビったが、公民館に勤める中村さんをはじめ涙を流して聴いてくれた。クラシックもロックもボサノバも音楽に垣根はないということを感じさせてくれる貴重な体験だった。

 12月24日(日)群馬県前橋市

 ヨウコの引越祝いには、やっぱ引っ越しそばでしょう。
 みっちゃん&トモキさん夫婦が連れていってくれた「福そば」は恐るべきこだわりのそば屋さんだった。町からはなれた畑の真ん中にあり、完全予約制、完全無農薬、そばや野菜を自分で育て、そばつゆを壺にいれて土に埋め、客の目の前でそば粉をこね、天ぷら油も一回しか使わない。
 ううむ、そこまでやるか! というそばは、極上の味だった。
 前橋にお越しのさいは事前に予約をいれ、タクシーで店を探し、ぜひトライしてみる価値はじゅうぶんにある。

 「福そば」前橋市上細井町1067ー2 電話027ー234ー9069
 午前11時30分から午後1時半。夜は6時から

 さてさて今日は「味の店&サンデールーム」でクリスマスライブだ。
 ヨウコの歓迎パーティーもかねているので、後半はオレの歌とヨウコの好きな詩の朗読とのコラボレーションにも挑戦する。
 小野先生ご夫婦をはじめ、中村さん、阿久津さん、トマルさんなど、昨日のオペラコンサート・スタッフの方たち、気功師の松原先生ご夫婦、地元からヨウコのルームメイトになる美容師のキノコちゃん、大学のフランス語講師トモコ、小学校の先生アユハ、ONSENS音響スタッフのシンヤと弟の有望サッカープレーヤーであるヒトシ、東京からパチプロのなみへー、こたつライブの主催者のっぽのトシ、大宮ライブの主催者あかり、マクロビオティック講師ミッチー、新潟からハナビ、ここに書いてない人も(メモれなかった)たくさんかけつけてくれた。
 オープニングはタケちゃんの名アレンジが光るクリスマスソングからはじまる。

 1 聖夜
 2 ソウルメイト
 3 青空のむこう
 4 Ungonditional love

0612Xマスヨウコphoto by PILICA

 ここからヨウコの詩の朗読がはいり、曲と交互にコラボレーションする。ヨウコもこたつオペラや波照間島のナレーション経験で鍛えられたせいか、堂々かつ繊細なパフォーマンスを見せてくれた。

 5 Born to love(「キス」谷川俊太郎)
 6 ミタクオヤシン(「ぼくがここにいる」まど みちお)
 7 だいじょうぶマイフレンド(「南の絵本」岸田衿子)
 8 祈りの歌
 9 Merry christmas children(「子どもたちよ」ゲイリー・シュナイダー)

 歌の途中でランプが揺れたり、明かりが急に消えたり、いつものように不思議な現象が起こる。もう慣れっこになっているので、「また死者たちが遊びにきてくれたんだ」と感謝する。
 つぎはプロの舞台女優である加蓮が4曲ほどミュージカルを披露してくれた。日光でクリスマスコンサートをやろうという計画だったが、このライブがはいったので、加蓮は急きょピアノのカラオケをつくり、かけつけてくれたんだ。軽妙な語りと美しい歌声は観客を魅了し、オレたちを素敵なクリスマスへといざなってくれた。
 今日はライブだけじゃなく、ヒーリング・タイムも用意されているのだ。
 アロマ・マッサージのピリカとシホリンが10分間1000円でマッサージしてくれ、収益をぜんぶヨウコの治療費に寄付してくれる。プロのマッサージをこの金額で受けられるだけでもラッキーなのに、ピリカとシホリンはひとりひとり祈りをこめてヒーリングしてくれる。
 そうそう、とびきりのシンクロがあったぞ。シホリンの高校の担任がみっちゃんの旦那トモキさんだったのよー! こんなところで高校の担任と再会するとは。しかも不登校だった生徒がすごいヒーラーになっていて、教え子からマッサージで癒されるとは。笑えるくらいにすごい運命の巡り合わせだわさ。
 「サンデールーム」つきちゃんとみっちゃん姉妹がつくる料理は最高の美味だ。ヨウコに合わせオーガニック野菜を中心につくってくれる心遣いも涙もんである。そこへ天才パティシエであるミッチーのケーキもくわわる。
0612Xマス食事photo by PILICA

 なんて言うか、
 みんなの想いが、
 笑顔や歌やマッサージや食べ物の形をとり、
 それを分かち合えるって本当にすばらしいことだと思う。
 2006年のクリスマス。
 ヨウコのガンが半分になり、
 たくさんの笑顔に変わった。
 「シェア」するってことは、そういうことだと思う。

 悲しみをシェアすれば、
 半分になり、
 喜びをシェアすれば、
 倍になる。