表現という救済 | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

6月4日(水)
080604マチオphoto by やっちん

新潟ツアーの最後を飾るのは「言葉の格闘技」ライブである。
古い酒屋を改造した「ワタミチ」というフリースペースは昭和の雰囲気を残し、落ち着ける場所だ。
6人のエントリー者が自作の詩を読み、お客さんの投票でグランプリを決める。東京などでおこなわれるポエトリーリーディングは、ナルシスティックな美学に自己陶酔するものが多いが、「こわれ者の祭典」を生んだ新潟ではまったくちがっていた。
恋人を自殺でなくした者、母が焼身自殺した者、拡声器で「生きろ!」と叫ぶ者、心の病気をかかえた彼女への愛を叫ぶ者、性同一障害の苦しみを訴える者、映画「私は落ち陽は赤黒く」に傷ついた少女として主演した者、それはもはや「詩」を超えていた。
生の崖っぷちから発せられたギリギリの言葉だ。人類が手に入れた言葉という武器は人を傷つけることもできるが、救うこともできる。彼らは言葉という表現手段を使って、孤独の壁の向こう側と必死につながろうとする。
主催である月乃さんが朗読した中原中也の「谷川で冷やしたビール」、刑務所を行ったりきたりする友人の文章のバックでオレがギターを弾いた。
つぎはアイコちゃんとのコラボだ。
「アキラさんの歌の中で『今日は死ぬのにもってこいの日だ』がいちばん好きなんです。今日はこの歌とコラボするために新しい詩を書いてきました」
アイコちゃんの詩は今までのようなナイフの鋭さではなく、なにか大きな母性を感じさせるものだった。
080604アイコphoto by やっちん

身につけた強さを
どうか憎しみに変えないで
自分で守ってきた自分を
どうか殺さないでいて
無駄なわたしを許して
思い通りにならない心も許して
自分で自分を傷つける必要はないよ
恨む必要はないよ
死んでいない
あなたは生きている
そこにちゃんといるよ
見えてる
触れるよ
生きてるよ
(アイコ『道しるべ』より抜粋)

1、 今日は死ぬのにもってこいの日だ(アイコ『道しるべ』朗読)
2、 心がくしゃみをした朝
3、 イジメ
4、 Be yourself
5、 Alone
6、 背中
7、 家族

アイコちゃんはついに自分のセルフストーリーオペラをやることを決心した。月乃さん、脳性まひブラザースのオペラが大きな感動を呼び、アイコちゃんも自分のすべてをさらけ出す覚悟をしたのだ。9月20日(土)新宿ネイキッドロフトに決定した。
アイコちゃんは今日の感想をミクシィの日記でこう書いていた。

みんなの朗読が愛しくて、月乃さんの存在があまりにも強くて優しくて、AKIRAさんの歌は聴くたびに信じるものを増やしてくれる魔法がかかっていて、
わたしは、
わたしは
舞台に立った瞬間に見たんだ
空間に赤い灯がともったのを
嘘じゃないよ。
その後、飾りだなの電球が音を立てて落ちてその上の棚のビンが倒れたとき、瞬時に「おかえりなさい」って思ったんだよ。
たくさんの後ろにいる人がきたんだ、って。
不思議なことは信じたほうが素敵なんです。
人、それぞれ一人一人の後ろにはたくさんの人生が繋がってきた証があるんです。悲しい別れは、全て背負っていくよ、それは抱えるんじゃなくて、ただ一緒に生きてくってそれだけだよ。(以上アイコミクシィ日記より抜粋)

このブログを書いてる10日現在、テレビで秋葉原通り魔殺人事件が報道されていた。
無視され、傷つき、思い通りにいかないことは誰だってあるだろう。
もし犯人がこのライブを見れば、ナイフの代わりに言葉を選んだかもしれない。
月乃さんやオレは犯罪者になる一歩手前までいった。今日の出演者たちも心の闇を抱える者たちだ。優勝者は性同一障害のみちさんだった。親になじられ、友人に見下れ、人から気味悪がられる。やり場のない悲しみを氷に閉じ込められた孤独を彼女は美しい詩に昇華させた。
オレたちがこうして生きていられるのは「表現という救済」を手に入れたからだろう。
事件を起こしワイドショーを独占することが「主役」になることではない。

主役になるのではなく、主役であったことに気づく。

誰もが自分の人生の主役であり、かけがえのない学びを生きている。
きみがつらい思いをしてきたなら、ラッキーだ。
それを「表現という救済」に変え、みんなに伝えていけばいい。
080604アキラphoto by やっちん

オレはさんざん人に迷惑をかけ、今も人を傷つけながら生きている。
ならばなおさら、救済の歌をうたいたい。
出会ってくれた人に笑顔を返したい。
たとえ今がどんなにかなしくても、
憎しみを愛に
恨みを救済に、
エネルギー変換する生き方を伝えていきたい。

080614幾何楽ライブ

ホームグラウンド幾何楽堂ライブはすごい企画になってきた。なんと100本の竹ろうそくを灯し、HISATOさんの退行催眠と歌がコラボするという前代未聞の試みである。逃すべからず。
★6月14日(土)日光幾何楽堂ライブ(くわしくはこちら
出演: AKIRA /  主催: Day light room
場所: 日光幾何楽堂 (東武日光駅 又は JR日光駅 より お車にて10分。地図
時間: 18:30 開場 19:00開演 21:00終了予定
料金: 第一部ワークショップ参加者 1000円 / 一般 2500円
ライブの途中にHISATOさんによるヒーリングパフォーマンスを行います。(これはすごい!)
予約メール:info☆daylightroom.com
上記アドレスをクリックするとメールソフトが起動しますので、☆を@(半角アットマーク)に変更してからメールを送信してください。

★「AKIRA歌のど自慢大会」東京北千住「COSMIC SOUL」
東京都 足立区 千住1-22-9 Tel03-3882-7050(地図
入場2000円(お詫び:店が手狭なため出演者も入場料を払ってもらうことになりました。ごめんなさい)
全国からエントリーがきています。早い者勝ちですよ。エントリー希望者は日にち、芸名、曲名、をメールしてください。
akiramaniacom@yahoo.co.jp

6月21日(土)開場19:00。開演19:30
エントリー歌手(順不同)
宮古島ネーネーズ(沖縄)「Hello my mom!」
青空徐兄(北海道)「天使のキス」
こーち(岡山)「家族」
シュミーズ北千(東京)「レラ」
(残り1組募集中!)

6月22日(日)開場17:30。開演18:00
エントリー歌手(順不同)
夫婦茶碗(埼玉)「ぬちどぅ宝」
エスパー菊(群馬)「背中」
たまむち(沖縄)「キャラバン」
ミスタースリム(東京)「マヨネーズと電話帳」
(残り1組募集中!)

タイムテーブル
出演者は1時間前にはいってリハーサル。
前座:AKIRAライブ(30分)
メイン:「のど自慢大会」(30分)
1曲ごとに審査員AKIRA、コウヂ、ゲストなどのコメントあり
後座:AKIRAライブ。のど自慢大会のエントリー曲5曲をAKIRAが歌う。(30分)
審査発表:金、銀、銅など。(おもしろい賞品を考えよう)
採点方法:観客に10点満点の採点表をわたす。(コスチュームやエンタメ度、応援団なども採点対象)
フィナーレ:優勝者の曲をAKIRAとデュエットで終わる。

「AKIRA歌のど自慢大会参加者募集」くわしくはブログを参照
出演者以外、メール予約はいりません。直接会場へお越しください。ぎゅうぎゅうでも入れます!