沖縄ライブツアーの準備に追われる日々である。
昨日は全60曲の歌詞カードをつくった。アルファベット順にファイルにならべ、すぐ取り出せるように整理する。
ぜんぶちがう場所で演奏するんだから20曲もあれば済みそうなもんだが、「つねに無謀なことに挑戦する」チャレンジャーのサガである。(つーか、持ち歌多すぎ)
「沖縄限定アルバム」をつくるとかいっといて、まだ1曲も録音していない。
おまけにまた新曲ができてしまうし、収拾がつかないのである。
では、「ハイサイおじさん」にも負けないカチャーシー(踊り)ソング、「なんくるないさ」を発表しよう。
「なんくるないさ」
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
1
上をむいたら空がある
前をむいたら海がある
下をむいたら花がある
横をむいたら君がいる
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
2
足踏みしたら靴がへる
走り出したら鬱がへる
風が吹かぬとぼやくより
風を感じてつっぱしれ
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
3
金はないけどひまがある
知恵はないけど夢がある
過去と他人は変えられぬ
未来と自分は変えられる
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
4
胸を焦がして泣くよりも
鍋を焦がして飯を食え
善や正義に酔うよりも
歌い踊って酒に酔え
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
5
好きと言えずにちむどんどん
おててにぎれずちむどんどん
われかなさんどーはなさんど
それも言えずにハムサンド
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
6
島は島でもひとつじゃない
海の下では陸つづき
人は人でもひとりじゃない
赤い血潮で結ばれる
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
7
生まれ育ちはちがっても
いちゃりばちょーでー ちむぬわてぃーち
たとえはじめて出会っても
ちちぢむーどぅ かなさぢむ
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
8
死んで花実が咲くものか
ぬちがふーどぅ しでぃがーふー
しまんちゅ かみんちゅ うまんちゅ
にふぇーでーびる かなさんど
なんくるないさ なんくるないさ
なんくるないさ さっさっ
死なないていどに命がけ
「死なないていどに命がけ」というのは、日本政府理不尽な戦争でたくさんの命をなげうった沖縄だからこそ意味のある言葉である。
「なんくるないさ」は、沖縄のおばあがよくいう言葉で、「なんてことないさ」、「だいじょうぶだよ」。
「ちむどんどん」は、「肝がどんどん脈打つ」、「胸がドキドキ」って感じ。
「いちゃりばちょーでー ちむぬわてぃーち」は、「出会ったら兄弟 肝はひとつ」。
「ちちぢむーどぅ かなさぢむ」は、「近づいてくる人の心こそ愛しい心」。
「ぬちがふーどぅ しでぃがーふー」は、「命は果報 生まれたのは果報」。
「にふぇーでーびる かなさんど」は、「ありがとう愛してる」。
ウチナーグチ(沖縄方言)って、いいよねえ。
あの底抜けの楽観主義は、地獄をくぐってきた強さと、生に対する完全肯定からくるんだなあ。