神戸「永遠の日」ライブ | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

8月8日(金)「キテン」ライブ

いよいよ関西ツアーも今日が最終日だ。
午後1時から4時まで生田文化会館の視聴覚室でピアノのノリちゃんとリハをする。どんな小さなライブでも、いくら連日のライブで疲れていても、手を抜かない。とくにほかのミュージシャンが加わる場合、リハだけはしっかりとしておかなければならない。
ノリちゃんは今日のライブだけでなく、10日にある東京中野のオペラも参戦してくれることになったので、オレたちは2ステージ分のリハが必要なのだ。
毎回新しいことに挑戦したいオレは、「今回はノリちゃんのオリジナル曲もやってみよう」と提案した。
チャレンジをしつづけていかないと、人間は進化を止めてしまう。成功よりも失敗から学ぶことのほうが重要なんだ。

北野坂の地下にある「キテン」は、雑然とした店内に赤と黒のソファーやベルベットのカーテンなど、ダダイズムのキャバレーヴォルテールを思わせる怪しい雰囲気である。オレはマスター鈴木君のキッチュなセンスが好きなのよねえ。
今回の主催もロヒだ。ロヒはミクシィで500人もいる「AKIRA○アキラ」コミュを主催している。現場監督の仕事もがんばっているし、新婚ラブラブモードなのだ。1年前ここであった仲間たちが集まってくる。同窓会みたいに、なつかしい友たちとの再会は格別だねえ。
ロヒがつくってきたネアリカのスライドがプロジェクターに映され、
今日のライブは8月8日、8時8分ぴったりにはじまる。
オレが勝手に命名した「永遠の日」だ。
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初夏の青空を思わせるノリちゃんのピアノソロ曲「希・輝・華」が会場に満ちていく。あとから聞いたら、早くもこの曲で涙ぐんだ人もいたという。
晴れわたった空を雷雨のようなストロークが切り裂く。

1、 Walking in the rain
2、 祝福の歌
3、 Be yourself
4、 雲のうえはいつも晴れだから
5、 Happy end of the world
6、 Alone

後半はノリちゃんの繊細なピアノからはじまる。和のメロディーと西洋の音階が見事に溶け合う即興曲だ。ノリちゃんはこのツアーで日々たくましくなっていく。娘の成長を見守る父親のような気分だ。
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7、 ソウルメイト
8、 背中
9、 Hello my mom!
10、 おさない瞳
11、 「アジアに落ちる」朗読
12、 Life is beautiful
13、 家族
14、 だいじょうぶマイフレンド(アンコール)
15、 マヨネーズと電話帳(アンコール。キテンマスターのリクエスト)
16、 パズル(アンコール)

「アジアに落ちる」で書いたように、オレは震災直前と直後の神戸へきている。廃墟に沈む夕日の鮮烈な風景はいまだにオレの世界観に影響している。
「町にも人にも死は突然やってくる。ならばこの一瞬を全力で生ききることだ」
今この瞬間を生ききることこそ、唯一永遠を手にする方法だろう。
今回の見せ場は「Happy end of the world」から「alone」へのつながりだった。
廃墟の中から立ち上がり、もう一度命のかけらを拾い集めていく少年たちの姿は、現代を生きるオレたちそのものだろう。
そして「alone is not lonely」自分ひとりの足で立つことは決して淋しいことではなく、たくさんの仲間とつながっていくことだ。

人間の消えた街にも日は昇る。
ぼくたちは打ち捨てられた中央駅に、手をつないだまま寝転がっている。
割れたドームから降り注ぐガラスの破片が、
ダイヤモンドダストのように煌いて
……綺麗だ。
Happy end of the world
Happy end of the world
It’s over over over over now
もうなにも怖がらなくていいよ
It’s over over over over now
すべて終わったのだから

二度と目覚めることのない街は、
在りし日の人の夢でも見てるいのだろうか?
それともこの世界さえ、何者かによって見られた夢なのか?
ぼくにはわからない。
ただきみの手のぬくもりだけが
ぼくにとって唯一の
……「リアル」だ。
Happy end of the world
Happy end of the world
It’s over over over over now
もうなにも思い出さなくていいよ
It’s over over over over now
ほんとうにすべて終わったのだから

山のてっぺんには約束の地があると教えられてきた。
もっとたくさんのものを持てば自由になれると、
もっとたくさんのお金を持てば幸せになれると。
だけどすべてを手に入れてたどりついた頂上で待っていたものは、
……天国の廃墟だった。
Happy end of the world
Happy end of the world
It’s over over over over now
もうなにも怖がらなくていいよ
It’s over over over over now
すべて終わったのだから

価値観が、宗教が、国家が、家族が、音を立てて崩れ去った。
最後に置き去られた心が粉々に砕け散った。
「ぼくたちの未来を奪ったのは誰だ?!」
なんていまさら叫ぶつもりはない。
だけどぼくたちはもう
……大人を信じない。
Happy end of the world
Happy end of the world
It’s over over over over now
もうなにも思い出さなくていいよ
It’s over over over over now
ほんとうにすべて終わったのだから

ぼくたちは世界の終わりを見届けるため、
生まれてきたんじゃない。
世界をはじめるため、今ここにやってきた。
ばらばらになった心のかけらをもう一度探し集める旅にでよう。
さあ……新しい朝がくる。(「Happy end of the world」)

新しい夜明けがくる
血まみれの雲を破り
生まれたての陽が雪を溶かし
蒼い闇が終わる

まだ見ぬ地平線へ
まだ見ぬ君をさがし
ぼくはひとり旅をつづけてきた
ここで君に会うため

欠けたパズルを埋めるように
出会いはすべて用意されてる
みんなちがってみんないい
ちがうからこそ求め合うんだ

ぼくの後をくるな ぼくは導かない
ぼくの前をゆくな ぼくは従わない
ぼくとともに歩め 同じ大地踏みしめ
ぼくたちはひとつだ alone is not lonely

新しい時代がくる
憎しみの嵐は去り
屍の荒野
木々は芽吹き
幼い春が目覚める

狂った豚の群は
崖っぶちへと身を投げる
立ち止まる勇気ひとり立つ力
ずっとぼくは待ってたよ

君とぼくをへだてていた
落書きだらけの壁は崩れ
みんなちがってみんないい
ちがうからこそ許し合うんだ

ぼくの後をくるな ぼくは導かない
ぼくの前をゆくな ぼくは従わない
ぼくとともに歩め 同じ風に吹かれて
ぼくたちはひとつだ alone is not lonely

新しい子どもたちよ
ぼくらのあやまちをくりかえさないで
赤い血を流し分かち合う魂
そっとKissがはじまる

天国に咲く花は
地獄に根を下ろす
深い孤独を知る君の笑顔
やさしくぼくをつつむ

すべてのものにさよならして
すべてのものとつながるんだ
みんなちがってみんないい
ちがうからこそ愛し合うんだ

ぼくの後をくるな ぼくは導かない
ぼくの前をゆくな ぼくは従わない
ぼくとともに歩め 同じ時代に生まれ
ぼくたちはひとつだ alone is not lonely

ぼくの後をくるな ぼくは導かない
ぼくの前をゆくな ぼくは従わない
ぼくとともに歩め 同じ痛み抱えて
ぼくたちはひとつだ alone is not lonely(「alone」)
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打ち上げはオレが日本一のレストランの太鼓判を押すウイグル料理「味香苑(みかえん)」1号店だ。
神戸にきたらここで食うしかない。いやここで食うため神戸にきたといってもよい。

080808kebab.jpgクミンとスパイスが絶妙の羊肉串150円。

080808tohumen.jpg高野豆腐でつくった麺

080808chicken.jpg揚げた山椒と唐辛子とチキンがダイナマイト!

味香苑 1号店
TEL 078-321-1228
住所 兵庫県神戸市中央区北長狭通2-11-5 グランドコーストビル 8F(地図
営業時間 17:00~翌3:00
定休日 月曜日


※さあ明日はいよいよ東京にこわれ者の祭典がくる!
080601本願寺オペラ

三条の東本願寺で100人を号泣させた脳性まひブラザースのオペラ(当時のブログ参照)が東京で見られる最後のビッグチャンスだ。
ゲストはアメリカのメジャー新聞デビューも果たした月乃光司さんだし、これを見逃したら一生後悔するぜ。
このオペラ以上に生きる力を与えてくれる作品はニューヨーク・ブロードウェイにもパリオペラ座にも存在しない。
「あしたは仕事で…」とか言ってるきみも、たとえ一生の仕事を棒に振ってでも、このオペラを見たほうが一生分の生きる力をもらえる。
この言葉が大げさでもウソでもないことをきみは明日知るだろう。

8月10日(日)東京中野ゼロホール。セルフストーリー・オペラ「脳性まひブラザース物語」上演
開場12:30 開演13:30(終了予定16:30)料金1000円
会場:なかのZERO 視聴覚ホール 〒164-0001 東京都中野区中野二丁目9番7号. JR中野駅南口から徒歩8分(地図
主催:こわれ者の祭典実行委員会 TEL 070-6456-9262(実行委員会)