ハルカの贈り物 | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 宮崎からハルカがやってきた。
 メールのやりとりをふくめれば、ハルカとのつき合いはもう3年以上になる。ヘルメットヘアーからボーイッシュなショートカットに変わったものの、少年のようなクリクリお目々は健在である。
 「家のガラスを傘で20枚割り、入院した」と聞いたときは心配していたが、もうかなり落ち着いたらしく、明るい笑顔にもどっていた。
 着いた早々「シソ酢」作りを手伝わせた。2リットルの玄米黒酢にいれる大量のシソを包丁で刻んでもらう。
 昔ハルカは首を包丁で刺して死のうと思い、風呂に立てこもったことがある。翌日から家の包丁はぜんぶ隠されたそうだ。
 ハルカほど生命力の強いやつは見たことがない。
 ハルカは自殺未遂を8回もくぐりぬけてきたのだ。うち2回は大量のしょう油を一気飲みしたが、消化してしまった。真冬に窓を開け放って濡らした服を着こみ、凍死しようとしたこともある。酒も飲めないのにウオッカをひとビン一気飲みして大量の向精神薬を過剰摂取したときも、「朝目覚めたら生きていた」という。ドアノブでの首吊りや飛び降りなど、あらゆることを試みたが、
 今こうして元気に生きている。
 生きているからこそ出会えた。
 ハルカがはじめてメールをくれたとき、「わたしを弟子にしてください」と言ってきた。オレは「すべての人がオレの師匠だ」などと返事した。
 実際オレはハルカからたくさんのことを学んだし、ハルカの笑顔はたくさんの人を救ってきたんだ。
0606ハルカ大介作のTシャツを着てご満悦のハルカ

 ハルカの病気は沖縄で言う「カミダーリ」だと思う。カミダーリという一種の狂乱状態をくぐった者は、その後人々を癒す「ユタ」や「カンカカリヤ」(ヒーラー、シャーマン)になる。
 つらい試練を乗り越えてきたハルカはすばらしいヒーラーになると確信している。怪しい職業ヒーラーでなく、日常でまわりの人を幸せにする本物のヒーラーになるね。
 勝手な妄想かも知れないが、世界中ですぐれたシャーマンを見てきたオレの目にはそう映るんだ。(妄想競争では負けないぞ)
 まだまだ試練はつづくかも知れない。
 でもすでにハルカは出会った人にすばらしい影響を与えている。
 この歌もハルカの声なき声がつくらせてくれたものだ。

「Suicide」

Suicide 翼の折れた鳥
ビルの屋上から飛び立ってゆく
Suicide 誰もが死ぬことを
忘れたふりをして街を急ぐ

Suicide かじかむ手をのばし
ふれた君の指をわすれないよ
Suicide ほんとは怖いんだ
生きてく意味をくれ
愛してくれ

Suicide 赤く病んだ夕日
地平線にひしゃげつぶれてゆく
Suicide 誰も明日があると
疑うこともなく電車にゆられる

Suicide ふるえる肩を抱き
見つめた君の目をわすれないよ
Suicide ほんとは弱いんだ
生きてく意味をくれ
愛してくれ

死ぬ気になればきっとできるよって
逃げだしちゃだめよって
聞きあきたよ
みんなを悲しませちゃいけないって
甘えてるだけだって
言いあきたろう

Suicide 流れ星がひとつ
闇夜に消えてゆき 生まれてくる
Suicide 誰もが生きづらさ
仮面に隠しては微笑みあってる

Suicide こごえるほほをよせ
かすかなぬくもりをわすれないよ
Suicide ほんとは淋しいんだ
生きてく意味をくれ
愛してくれ

Suicide 雨が街を洗い
よごれた僕の傷流していく
Suicide 残りカスの希望
必死にかき集め朝がくる

※「天の邪鬼日記」に書いた「ハルカ物語」
壁紙を変えろ
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ハルカ到着
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ハルカから教えられたこと