アボリジニへの道 | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 オーストラリア旅行までもうカウントダウンである。

 4月3日(火)
 東京にいける日がないので、思い切って名古屋からある人に電話した。
「突然ですが、今日そちらにうかがうことはできますか?」
「ううん、1時間くらいならなんとかだいじょうぶです」
 日本人イダキ(ディジュリドゥー)奏者、哲Jさんである。
 ディジュリドゥーを吹くミュージシャンと話していると、必ずと言っていいくらい哲Jさんの名前がでてくる。ネットでアボリジニを検索しているとやはり哲Jさんのホームページにたどりつく。
 哲Jさんはディジュリドゥー奏者の第一人者であり、毎年オーストラリアのアーネムランドにかよい、ディジュリドゥーの買い付けや、日本とオーストラリアをつなぐ文化交流のパイプ役として活躍している人だ。
 名古屋から新幹線に飛び乗り、東京の練馬区にある哲Jさんのギャラリー&オフィスへむかった。手みやげにスーパーでイチゴを買い、恐る恐るドアを開ける。
「わざわざありがとうございます」
 大柄な体格にやさしい目をした哲Jが握手で迎えてくれる。
 ギャラリーにはアーネムランドからとどいたばかりのディジュリドゥーが梱包を解かれている。すごい、こんなさまざまなディジュリドゥーを目にしたのは初めてだ。
 美しい絵柄ともっとも原始的楽器といわれるディジュリドゥーの存在感に圧倒される。
 哲Jさんの師匠は「イダキの神様」と世界中から賞賛されるジャルー・グルウィウィだ。
 ジャルーはイダキ奏者であり、彼のつくるイダキは世界最高峰のものとして知られている。すぐれた画家でもあり、アボリジニの精神的指導者として世界中を飛びまわっている。
 哲Jさんは毎年ジャルーファミリーの家に滞在し、2005年にはジャルーの来日公演を実現させた。
 今回哲Jさんは5月の20日から25日までアーネムランドへいく。
 アーネムランドというアボリジニ自治区はあこがれの地である。しかしよほどのコネクションがない限りはいることはできない。
 20日から25日といえば、レラさんのツアーと重なっているのでいけない。
 いつかは哲Jさんとアーネムランドを訪ねたいなあ。

 今オレはアボリジニについて猛勉強中である。
 日本のアイヌ、アメリカのインディアン、アマゾンのインディオ、チベットやアジアのシャーマニズム似ついて本を書いてきたが、ついにアボリジニの知恵を学ぶときがきたようだ。
 さまざまな本を買いこんだ。

「ソングライン」ブルース・チャトウィン。
「アボリジナル」ジェフリー・ブレイニー。
「生命の大地—アボリジニ文化とエコロジー」デボラ・バード ローズ。
「アボリジニ現代美術 展—精霊たちのふるさと」小山 修三。
「オーストラリア先住 民アボリジニのむかしばなし」池田 まき子。
「アボリジナル・ランド」谷村 志穂。
「精霊たちのメッセー ジ—現代アボリジニの神話世界」松山 利夫。
「アボリジニの世界— ドリームタイムと始まりの日の声」ロバート ローラー。
「アボリジニー神話」K.ラングロー パーカー。
「オーストラリア・ア ボリジニの伝説—ドリームタイム」ジーン・A. エリス。
「時のない島—オース トラリア、ノーザン・テリトリーの旅」谷村 志穂。
「アボリジニ社会の ジェンダー人類学—先住民・女性・社会変化」窪田 幸子。
「狩人の大地—オース トラリア・アボリジニの世界」小山 修三。
「Dream Time: Spiritual Music of the Australian Aborigine」Various Artists; CD
「オーストラリアのア ボリジニ」ドキュメンタリー DVD

 どうせぜんぶは読みきれないし、現地で学ぶ知恵にまさるのもはない。
 どんな冒険がオレを待ちかまえているか、わくわくしてしまう。
 きっと夢見る大地の精霊たちが最高の旅に導いてくれるだろう。