全27曲4時間マラソンライブ | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 9月13日(木)帰国

 台湾から午後3時の便で帰国すべく、桃園国際空港へむかった。
 搭乗手続きや両替もすませ、明日のライブの曲順などを考えていると、こんなアナウンスが流れた。
「お客様にお知らせします。成田空港行きEG206便は整備不良のため午後4時30分の出発になります」
 まあ、よくあることだと、乗客はおとなしく腰をおろした。
 さあ、そろそろ搭乗かというときに、またアナウンスがある。
「新たな箇所に機体のオイル漏れが発見されたため、もう少々お待ちください」
 うわっ、オイル漏れはやばいよ。大爆発につながる。オレの脳裏にはつい一カ月ほどまえ那覇空港で見た中華航空の黒こげになった機体が浮かんだ。ロビーには缶ジュースやお茶などが配られる。台湾元はすべて両替してしまっているので、時間をつぶすこともできない。オレはロビーの隅っこに腰をおろし、ウクレレで曲をつくっていた。
 搭乗口に背広を着た上司や係員の女性たちが横一列に並びはじめた。なんだか異様な雰囲気である。
「アジア航空(JAL)206便は機体の修復が間に合わないため、本日の出発は不可能になりました」
 おおっ、テレビでよく見る謝罪会見じゃん。
「まことに申し訳ありません!」
 いっせいに頭をさげる従業員にビジネスマンたちがつめより口々に罵声を浴びせる。
「バカヤロー、仕事があるんだぞ」
 こんなことでパニクって、まったく日本のオヤジたちはかっこわるいなあ。
 そ、そうだ、オレだってライブがある。明日の便に振りかえられても到着は夜7時、日光へ着くのはライブが終わる10時すぎになる。
「こちらでホテルと夕食を手配しますので、もう少々お待ちください」
 やったー。ハジメくんや主催者の小坂さんには悪いが、きっと豪華な食事と部屋なんだろうなあ。
 夜の7時もすぎたころ最終アナウンスがあった。
「深夜2時半出発の飛行機が用意できました。これからホテルで食事と仮眠をとっていただき、12時半にチェックアウトし、空港へもどっていただきます。希望者は翌朝まで泊まり、昼の便に乗ることもできます」
 ううん、せっかく高級ホテルに泊まれるんだからそれもいいなと悪魔の声がささやいた。いやいや、オレを待っていてくれる人がいる限り、ウインドサーフィンでもいく。意外にオレは責任感が強いのだ。
 真っ暗な田舎道をバスは1時間以上も走り、「ミラマール・カントリークラブ・ホテル」に着いた。予想どおり豪華なバイキング料理、予想以上にバカでかい部屋、すげーすげー、こんな超高級ホテルは一生泊まることはないだろう。素っ裸でウクレレを弾きながらはしゃぎまわる。
 うれしすぎて仮眠どころではなく、また強制連行のように空港へ連れもどされた。

 9月14日(金)幾何楽堂ライブ

 成田にはライブの当日早朝6時に到着し、日光にもどったのは午前10時すぎだ。
 おおーなつかしの我が家。屋根も飛ばされてないし、トイレも爆発していない。この3ヵ月というもの、広島、関西、北海道、沖縄、台湾と、ほとんど家にいられなかった。やっぱ我が家はいいなあ。オレのシャンティー・ニラヤ(静かなる家)だ。
「帰ってまいりました」
 小坂さんに電話すると、うしろでハジメくんらしき歓声があがる。何度もオレの家を「きてない、まだ帰ってない」とチェックしていたそうだ。

 幾何楽堂でセッティングをすませ、さあリハをはじめようとすると、ハジメくんが言う。
「今日はリハはいいですよ」
 なによ、その冷たい言いぐさ。オレがおくれたんで怒ってんの?
 クリスタルボウルの貴子ちゃんが駅に着いたというのでオレもいっしょに迎えにいこうとする。
「アキラさんはいいですよ。ここで待っていてください」
 なんかよそよそしいのよね。ふんだ、せっかく寝ないで帰ってきたのに、いじけちゃうぞ。  しばらくすると、車が帰ってきた。ドアから登場した人物にオレは目を疑う。
「とーる! なにしにきたの」
「なにしにってギターもってるじゃないすか。北海道のトラベリングマン・バンドの関東デビューですよ」
 うわー、そういうわけだったのね。オレをおどかそうと、すべては仕組まれていたわけだ。札幌で共演した貴子ちゃんとも日光で会うとは。もう自分がどこにいるかわからなくなる。
「さあ、リハをはじめましょう」
 バンマス・ハジメくんの合図で各自ポジションにつく。北海道で寝食を共にしてツアーをまわったあの頃がよみがえる。わずか1ヵ月半くらいまえなのに、あれから沖縄や台湾をまわってきたオレにはもう1年くらいたったかのようだ。
 小坂さんの友人たちが早くも集まってきたなか、オレたちは水を得たアメンボのようにリハを楽しんだ。

 本番が近づくにつれ、幾何楽堂には50人を超える人々が集まってくる。これから個展を開くギャラリー悠日の柏崎さんはじめ、デザイナー家具輸入店のオーナー、野草アーティスト、イベントプロデューサー、劇作家、レコードコレクターなどなど、栃木県にこれほどおもしろい人たちがいたのかと驚く。東京や県外からもなつかしい顔やたくさんの人が集まってくれる。
 ライブは貴子ちゃんのクリスタルボウルからはじまった。
 美しい音色が波紋のように広がり、幾何楽堂というすばらしい場を調和させてくれる。
0709幾何楽ライブ2

1.fareast wind(ピアノ:hajime、クリスタルボウル:鈴木貴子)
2.fright(hajime、鈴木貴子)
3.即興(hajime)
4.アゲハ(hajime)

 ハジメくんの即興曲は観客に選んでもらった3つの音、ミ、ラ、シと、小坂さんが選んだテーマ「大扉」で組み立てられた。さあ待ちに待った帰国第一声だ。

5.ミタクオヤシン(hajime、ボーカル:AKIRA)
6.終わらないキスをしよう(hajime、AKIRA、ギター&コーラス:小川とーる)

 ここで前半は終了。栃木県初登場であるハジメくんのピアノと貴子ちゃんのクリ坊(クリスタルボウル)に観客は魅了される。オレの歌さえ栃木県ではほとんどライブをやらないから、はじめて聞いた人は多いのだ。
0709幾何楽ライブ1

7.アラビア組曲第一楽章(hajime)
8.アラビア組曲第二楽章(hajime)
10.青空のむこう(hajime、ボーカル:小川とーる)
11.Unconditional love(hajime、AKIRA、小川とーる)
12.Be here now(hajime、AKIRA、小川とーる)
13.家族(hajime、AKIRA、小川とーる、鈴木貴子)

 さすが鬼のバンマス・ハジメが選んだセットリスト(曲順)には驚かされる。オレはハジメライブにちょこっとゲストででるのかと思ったが、アキラライブとハジメライブが対等に融合し、とーるの歌とクリ坊まではいるとは、「ミラマール・カントリークラブ・ホテル」のバイキングより豪華だぞ。
 ラストの「家族」で会場はもう感涙状態である。ほとんどの人が歌ではじめて泣いたという。アンコールはこの2曲だ。

14.butterfly effect(hajime)
15.マーマレードスカイ(hajime、AKIRA、小川とーる)

 アンコールは鳴りやまず、サービス精神の固まりであるわれわれはどんどん盛り上げちゃう。

16.Change the world(hajime、小川とーる)
17.だいじょうぶマイフレンド(hajime、AKIRA、小川とーる)
18.雲のうえはいつも晴だから(hajime、AKIRA、小川とーる)

 さらにアンコールの拍手がつづくので、オレが台湾でつくった新曲を発表する。

19.シャンティー(AKIRA)
20.雨ニモ負ケテ(AKIRA)
21.ばあちゃんの手(AKIRA)

 さらにさらに超絶エンターティナーとーるのオンステージだ。

22.非常階段(小川とーる)
23.外神田(小川とーる)
24.自己都合退社(小川とーる)
25.My sweet days(小川とーる)
26.離れて想う (小川とーる)

 東京からきてくれた涼子ちゃんが誕生日なので、ラストはみんなでお祝いした。

27.Happy birthday(hajime、AKIRA、小川とーる)

 全27曲4時間にわたるステージってなによ!
 幾何楽堂というスペシャルな場の魔法と、すばらしい観客のおかげで前代未聞のライブが実現してしまったのだ。
 今日の朝まで台湾にいたのに、帰ったとたんにこの祭だぜ。1日中断食し、酒だけを飲みつづけたオレは昏睡状態で眠りについた。

※「大ネアリカ展」ライブ情報。
大ネアリカ展のライブチケットできました!
蓮さん製作のおなじみAKIRAが小さくなってかなりかっこいいです
ギャラリーさんへHPよりお申し込みください
「ギャラリー悠日」HP

ライブスケジュール
観客と交流しながらのプライベート型ライブです
(予約1800円 当日2000円(1ドリンク付))
毎週日曜日 18時~20時
 9月23日(オープニングパーティ)
   30日
10月 7日
   21日
   28日(クロージングパーティ) 
 
★ネアリカワークショップ
各ライブの前 13~17時(参加費1000円・限定約10名)
 「ギャラリー悠日」HPよりメールでご予約ください
※ビッグプレゼント! 
ネアリカ・ワークショップに3回以上参加した方の似顔絵をAKIRAが描きます。ギリシアのパルテノン神殿につづく路上で似顔絵屋をしていたAKIRAの似顔絵は貴重です。ぜひぜひ3回以上ご参加ください!

★日本ネアリカ大賞
事前にみなさんから応募いただいたネアリカも大谷石の蔵ギャラリーに展示します!
ぜひ観に来て投票してください(1人1回3票)
9月23日(日) オープニングパーティー
 「輝け!日本ネアリカ大賞」エントリー
  ~出品者の作品紹介のコメントがきけます~
10月28日(日) クロージングパーティー
 「輝け!日本ネアリカ大賞」発表
  ~投票結果が発表され、 金メダル・銀メダル・銅メダル、AKIRA賞が選ばれます~
ギャラリー悠日(ゆうじつ)
〒320-0838  栃木県宇都宮市吉野1丁目7番10号 
電話028-633-6285
最寄:南宇都宮駅 (JR宇都宮駅から100円バスか徒歩10分にて東武宇都宮駅、乗車1駅)
南宇都宮駅から直進徒歩1分。すばらしくわかりやすいです。
ライブは17時開場
    18時開演
    20時終了です

<帰りの電車>
南宇都宮から浅草方面最終電車
21:10出発 23:26到着
2時間16分(乗車2時間9分、ほか7分)
運賃:片道1,160円
乗り換え:1回

★日本ネアリカ大賞への出品作は20点ほど集まっています!
展示場所も決まっています!
また 追悼ネアリカ作品もお借りできることになりました!
お楽しみに。

★9月19日(水)NHK宇都宮放送局「とちぎ6時です」ラジオ出演。
19時より。放送エリア

★10月6日(土)「いたいのいたいのとんでけライブ」
ミュージシャン、作家のAKIRAとこわれ者の祭典のアイコ、絵描きの清水友裕によるコラボレーションライブ。東京編。死や別れ、手首の傷や薬物、悲しみと向き合ったら命や生きることの意味が見つかった。命のあたたかさを届けます。あなたの心の「いたいのいたいの、とんでけ」
出演:AKIRA(作家、ミュージシャン)、アイコ(こわれ者の祭典)、清水友裕(絵描き)
会場:新宿ネイキッドロフト(東京都新宿区百人町1-5-1百人町ビル1F)
前売り\1,300 当日\1,600 (チケットは8/1よりネイキッドロフト店頭にて発売開始!)
開場18:00 / 開演19:00
問い合わせ:ネイキッドロフト(03-3205-1556)

★10月13日(金)横浜ライブ
(関係者のみのプライベートライブです)

★10月14日(土)益子(栃木県)「土空間」ライブ
詳細はこれから発表します。

★11月4日〈日〉江ノ島「オッパーラ」ライブ
詳細はこれから発表します。

★11月11日〈日〉東京「遊」ライブ
詳細はこれから発表します。