dachambo体験 | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 ついにdachambo(ダチャンボ)ライブにいってきた。
 われわれONSENSのドラマー・ヤオさんがメインメンバーをつとめるdachamboは、去年のフジロックをはじめオーストラリアやさまざまなフェスに招待され、今や多忙を極めるバンドである。
 ヤオさんとブッカさんのツインドラム、アオちゃんのギター、オミさんのディジュリドゥー、エイジさんのベース、ハタさんのシンセが、組んずほぐれつ怒濤の波となって押し寄せてくる。 ぶっ飛んだ、まいった、音楽の概念なんか木っ端微塵に破壊された。
 高崎のライブハウス「FREEZ」で深夜12時半から3時までノンストップで2時間半の演奏である。オレは左のスピーカー前、リュウは右のスピーカー前、タケちゃんはど真ん中、それぞれ最前列で爆音に酔いしれている。
 はじめはツインドラムがどういうリズムを打ち分けるかとか、ギターやベースのフレージングを研究しようとか思っていたのだが、そんなこざかしい根性はあっという間にすっ飛ばされる。
 楽しいんだ。全身の細胞が遊びたいよう、遊びたいようと踊りだす。
 ノースショアなみの高波にさらわれ、汚れた洗濯物のごとく攪拌され、真っ白になった脳みそがニルヴァーナ(涅槃)の境地にいたる。
 子供のころにひとりだけの宝物を見つけたときのような至福感につつまれた。
 アオちゃんやブッカさんはONSENSのライブも見に来てくれていたが、こんなすごいバンドが身近にいたとは!(気づくのがおせえよって)
 今さらながら音楽のジャンルを飛び越えてdachamboとつなげてくれたヤオさんに驚き、感謝する。
 歌もののONSENSとサウンドのdachamboはふつうまったく別のジャンルに分類される。それでもヤオさんは「いいものはいい」とONSENSに参加してくれる。今ではONSENSとdachamboを両方聴きにきてくれるファンも多い。
 オレ自身、昨日(というか午前3時ってまだ今日じゃん)のdachambo体験により、「なにか」が変わってしまった。なにが変わったかは今後のONSENSサウンドにあらわれてくるだろう。
 まずはdachamboを聴いてほしい。そしてCDだけじゃなく、ライブへ行ってdachamboをぜひ「体験」してほしい。
 オレが知る世界のバンドのなかでも、もっとも無垢で、もっとも根元的で、もっともすばらしいバンドだから。

 今日の早朝5時にライブハウスを出て、dachamboの物販を手伝っていたシンヤ(ONSENS音響)の車に乗り、ヤオさんと24時間営業の「山岡屋」で家系ラーメンを食い、群馬県沼田にあるリュウの山荘に明け方着く。
 リュウとタケちゃんを乗せたハイビジョン鈴木の車が道に迷い、リュウが山荘の鍵をもっているので、クソ寒いなか30分も待たされる。
 彼らも到着し、山荘に入ったとたんみんなぶっ倒れるように爆睡した。
 昼くらいにみんなが起き出すと神奈川からパーカッションのリエちゃんが到着する。
 ヤオさんとリエちゃんのドラム&パーカッション教則DVDの撮影である。監督はタケちゃん、撮影はハイビジョン鈴木。これからドラム&パーカッションを学ぶ世代にヤオさんとリエちゃんの超絶技巧をやさしく伝えていこうとする試みだ。
 ひさびさにONSENSの5人がそろい、いっしょに「ロケ弁」を食べる。
 「バンドをやってよかったなあ」と思うのは、こういうなんでもない瞬間なのよ。
 両親を失ったオレにとって、この「家族感」はかけがいのないものだ。
 4月の沖縄ツアーのあと、5月から待ちに待ったレコーディングにはいる。
 ライブはまだ完全決定ではないが、7月28日の神戸、8月6日(原爆記念日)の広島、8月13日の仙台、14日の山形「月山 炎の祭」がはいっている。
 明日は新宿歌舞伎町の雨宮処凛ちゃんのトークショーで歌う。(みんなきてね!)
 安定した生活ものぞめないノマド(放浪民)のような生活だが、
 こんな人生も悪くないって、思えるんだ。

※祈りプロジェクト
 明日、マキちゃんが2回目の放射線治療を受けます。つーか、自ら「挑戦」します。
 1回目の放射線治療について書いたおとといの日記もすげえおもしろかったよなあ。おい、原爆と放射線治療の国からマライヤキャリー・サービスかよ!(マキちゃんは英語圏生活が長いので歌詞までわかってしまうのに)
 明日はどんな曲がかかるか楽しみです。
 みんな一致団結せず、自分の好き勝手なことをやりながら祈りパワーをマキちゃんに送ってください。(そうほうが効く)