青空のむこう | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 ウォシュレットをつかってる人からいろいろメールがきた。
「一度お尻がウォシュレットの味を知ってしまうと、もう過去にはもどれない」とか、「携帯もパソコンもいらないが、ウォシュレット」とか、 「日本にゲイを増やそうという国際的な陰謀」とか。
 笑ってしまうが、うなずいてしまう。それほど「ウォシュレットのある生活」は快適なのである。
 「ウォシュレット」第1号が 発売されたのは1980年だ。
 温水の噴射角度を決めるのにTOTO全女子社員にアンケートを実施したが断られ、技術者はいきたくもないストリップ劇場の最前列に陣取り、「測定」をつづけたという。
  けっきょく業務命令ということでTOTOの全社員からお尻のデータを300人分集めたんだって。
 発売当時のCMでは、手に青い絵の具を付けて、タオルで拭いて見せて「残るでしょ」という映像とともに、「お尻だって洗ってほしい」というコピー(仲畑貴志作)が流れた。
 それを評した糸井重里さんの言葉が印象深い。
「『お尻だって、洗ってほしい』と言われた瞬間、我々のお尻は汚くなった」

 問題はトイレの費用をどう捻出するかである。
 貧乏人は金がない代わりに知恵を絞る。
 本が出版されるには時間がかかるし、ライブやイベントでは交通費がでればいいとこだ。
 ううむ、やっぱこれっきゃないっしょ。
 AKIRAソロアルバム第二弾「alone 2」を今週末の3連ちゃんライブで発売しまっす!!
 タケちゃんが北海道へいってしまったのでONSENSのフルアルバムは年末発売くらいになりそうだ。未発表の新曲はどんどんたまっているので、我が子である彼ら(曲たち)も世に送り出したい。
「おまえはトイレのために、愛を歌うのか!」(笑)
 とか叱られそうだが、それでいいのだ。オレのなかではトイレも歌うこともぜんぜん矛盾しない。
 生きるために創作し、創作するために生きる。

 さっそく昨日から地獄のレコーディングにはいった。朝の7時から夜中の2時までかかって2曲を録音した。
 そう、今回のメインは、あの怪物「祈りの歌」である。毎回ライブで「『祈りの歌』のはいってるCDはどれですか?」と訊かれまくっていたので、待望のCD化だ。
 ヨウコの乳ガン写真を目の前にすえ、歌いつづける。この曲はライブで一回歌うだけでもとてつもない体力を消耗する。それを30回くらいは歌い直しただろうか。
「おい、くそったれのカムイ(神様)ども、オレがこんなにまでしても納得しないのか。まだオレの祈りが足りないとでも言うのか」
 もう脳内麻薬が全開になって、神様とケンカしちゃってる。
 最後は生まれて初めて腹筋がつっちゃったよ。 ザビの超高音域は全力で腹筋から絞り出さないとでないんだ。ちょっと人間技じゃないぜ。
 のどがガラガラに枯れた深夜にすごいテイクが録れた。自分で聞きかえしても身の毛がよだつほど何者かが乗り移っている。
 もう一曲はまたもや恐るべき新曲ができたんだ。
 世界中の歌は2種類に分類される。
 「神」と「セックス」だ。
 神に捧げる歌は、讃美歌からお経、ルーツレゲエまでさまざまある。
 セックスに捧げる歌というのは、異性や恋愛に関して歌われるラブソングである。
 オレたちが日常聴いているのポピュラーソングは100%ちかくセックスを根元テーマとするラブソングである。
 相容れない神とセックスの巨大な壁を越えたすごい新曲なのよ。オレが今までつくった歌のなかでいちばん気に入っている。
 散歩の途中とかでふいに青空を見あげた瞬間、胸が締めつけられるほどの愛おしさを感じたことがあるでしょ?
 その感情は孤独でもないし、悲しみでもないし、幸福感でもないし、言葉で表現するのは不可能だ。
 その不可能を可能にしてしまった自分が怖い。(いまだにハイ状態がつづいているのでつい自画自賛してしまう)
 それでは「青空のむこう」、いってみましょう。

なんにも縛られず
なにものも縛らず
心ののぞむまま
自由に生きてきた

悔やんではいない
後悔もしてない
ただ両手を広げれば
なにものこらない

青空のむこうがわに
大切な忘れ物がある
せつなくて胸がはり裂けそう
この空を塗ったのは誰?

寂しがり屋のくせに
ひとりで旅をした
友だちを裏切り
きみを傷つけた

突然のさよなら
むりして微笑んだ
ひとりぼっちの部屋で
すすり泣いていた

青空のむこうがわに
大切な忘れ物がある
まぶしくて君が見えないんだ
この空を塗ったのは誰?

同じ空のした
きみは笑うかな
もうないものねだりはよそう
ぼくはぼくでしかない

強がらなくていい
弱くてかまわない
臆病なぼくを
そのまま抱きしめて

青空のむこうがわに
大切な忘れ物がある
ぼくたちが光に還る場所
この空を塗ったのは誰?

青空のむこうがわに
大切な忘れ物がある
せつなくて胸がはり裂けそう
この空を塗ったのは誰?

この空を塗ったのはきみ?

この空を塗ったのはぼく?