名古屋「ザ写楽」ライブ | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

8月2日(土)
2週間ほどまえに名古屋ライブの情報をアップした3日後、主催のサフォリからメールがあった。
「前売り50枚が完売しました」
はあ? いったい名古屋ではなにが起こってんだよ?

名古屋駅にはサフォリとその父「覚道(かくどう)」さんが車でむかえにきてくれた。サフォリはダンサーであり、マライヤ・キャリーにオリジナルのネイルチップを直接プレゼントしたネイルアーティストである(マジで)。覚道さんは三越デパートのスペースデザインを長年手がけてきた凄腕のデザイナーでもあり、厳しい修行をくぐってきた山伏でもある(さらにマジで)。
名古屋名物山本屋の味噌煮込みうどんを食いながら、驚くべき真相が明かされた。
「アキラさんのライブを写楽でやるって情報流したら、IT企業の社長さんから電話があって、チケット100枚買いますっていいよるんよ」山伏父さんが言う。
「な、なんですかそれ! ますますわかりませんよ」オレが聞いた。
「ほんでな、うちは60人くらいしかはいらんで、30枚でこらえてもらった」
「ですから、その人は何者なんですか?」
「その人は若干30代にして、夢を実現してしまったわけだな。考えてもみいや、金だろうが高級車だろうが別荘だろうが、なんでも手に入る。そしたら急にむなしくなってしまったんだな」
「ほう」
山伏父さんは話がうまいし、ミステリー小説でも読まされているような気分だ。
「会社をぜんぶ、売り払って、奥さんと世界一周旅行にでることを決意したんだな」
「しかしそれとオレはどう結びつくんですか?」
「どうもなにも、あんたが彼の人生を変えたんや。アキラさんのアヤワスカ!ちゅう本を読んで、彼は人生最大の決心をしたんやから」
「ええーっ、オレの責任!?」
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ザ写楽にはぎゅうぎゅうの人がつめかけてきた。オレはまだ狐につままれたような気分で店にはいっていくと、やさしい目をした男性が話しかけてくる。
「菅井ともうします。わたしがアキラさんの本を彼らに紹介したんです」
まだ20代にも見えるカップルがやってきた。
「もしかして、あなたがたが会社を捨てて旅に出るという……」
「はい、クニとミカです。ふたりで3年くらいかけてアキラさんのようにアマゾンや世界をまわりたいと思ってます」
えーっ、ふつーに美男美女のカップルじゃん! 巨万の富を捨てて、オレみたいにアホな旅をするアホには見えん! つーかオレはあっけにとられて、なんて答えたらいいかわからない。
「は、はい、おめでとうございます」(おいオレ、おめでとーじゃねーだろ!)
080802shachou左から新社長、もと社長クニ、?、右端がミカ

山伏父さんの息子ハシルがオープニングアクトをつとめてくれる。ハシルは「ALTARD HALL(アルタードホール)」というロックバンドを主宰し、チベットで修行した僧侶でもある。(さすが山伏父さんの息子!)。オレとハシルをむすびつけてくれたジャズピアニスト・マリナさんとは、スティービー・ワンダーの楽屋で知り合ったという(なんだかわけわかんないくらい、すげー話ばっかだなー)。
ハシルの詩は世界平和を命がけで訴え、しかも曲はバリバリのロックで、対立するものを融合させるという巨大なスケールをもっている。アウンサン・スーチン女史にささげた曲はスーチン女史の誕生日にビルマのラジオ局で流されたという。
ジャンベのジュンとハシルのギター1本で演奏した曲は、世界平和なのに凶暴なロックで、チョーかっこよかった。
さあ、オレも凶暴な自伝曲で幕を開けるぞ。

すべての大人を軽蔑し
すべての人間を憎んでた
手当たりしだいに噛みついた
狂犬のような19歳

無謀なあやまちくりかえし
無力な自分に涙した
ひとつだけわかっていることは
ここにいちゃだめだっていうことだ

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ?
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば逃げるかだ

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1、 Traveling man
2、 パズル
3、 Unconditional love
4、 ミタクオヤシン
5、 祝福の歌
6、 Alone

10分の休憩のはずが、CDや本のサインに追われ、30分くらいかかってしまった。おおー、3万円のプレミアプライスで「アヤワスカ!」を購入した人までいる。ううむ、今夜はありえないことの連続で、頭の中は真っ白である。
さあ、後半は旅人ジュンのパーカッションとハシルのギターがサポートしてくれる。さらにディープな世界に観客もろとも没入していった。
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7、 Be yourself(ジャンベ:ジュン)
8、 たったひとつの命
9、 背中
10、 「神の肉」朗読(ギター:ハシル)
11、 Life is beautiful(ギター:ハシル)
12、 家族(ギター:ハシル)
13、 だいじょうぶマイフレンド(ギター:ハシル。ジャンベ:ジュン)
14、 旅立ちの歌(アンコール。ギター:ハシル。ジャンベ:ジュン)
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アンコールは「旅立ちの歌」をクニ&ミカ、ペルーに旅立つ山田さんに捧げた。ヨーロッパやアメリカで活躍するDJ YTさんも「今度いっしょにおもしろいことを仕掛けましょう」と意気投合したし、シルバーアーティストのイバとも再会できた。楽しい企画をいっしょにやりましょうとNPO法人を立ち上げた山伏父さんは画策している。
そういえば今日は梅ちゃんのお通夜だったし、死者や生者をふくめた巨大なエネルギーがオレを運命のコインランドリーに放り込んだみたいだ。
運命の女神はいたずらっぽくウインクしながら告げた。

新しい何かがはじまる。
080802kazokuありがとう、写楽ファミリー!

※さあ、関西はあと2つですよー。これを逃すと、来年はないかもよ。

8月6日(水)大阪市箕面(みのう)「橋本亭」ライブ
開場19:30。開演20:00。1500円+ドリンク
大阪府箕面市箕面2-5-37(地図)。TEL:072-721-3116。E-mail hashi@m-waiwai.com

8月8日(金)神戸「キテン」ライブ
開演夜8時8分。1500円。
神戸市中央区中山手通1-23-10(地図) ℡078-222-9393

8月10日(日)東京中野ゼロホール。セルフストーリー・オペラ「脳性まひブラザース物語」上演
開場12:30 開演13:30(終了予定16:30)料金1000円
会場:なかのZERO 視聴覚ホール 〒164-0001 東京都中野区中野二丁目9番7号. JR中野駅南口から徒歩8分(地図
主催:こわれ者の祭典実行委員会 TEL 070-6456-9262(実行委員会)